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耕盤層対策からの土壌改良
近年、経営規模の拡大に伴い、農作業機等の大型化も進んできています。
それに伴い、ほ場では耕盤層が形成されやすく、排水不良の問題も発生します。
今回は、耕盤層対策についてふれたいと思います。
耕盤層とは、機械踏圧によってプラウ耕が届かない地中30cm〜60cmの範囲にできる堅密な層です。
場所によっては地中10cmと浅い所にできることもあります。
耕盤層ができると、ほ場の透水性が妨げられ、湿害や干ばつ害を受けやすくなります。
また、その下には作物の根は伸びず、生育に必要な養分や水分を十分に吸収できなくなり、収量性の低下につながります。
〈 耕盤層の調査方法 〉
耕盤層の有無を確認する方法として、(1)「山中式土壌硬度計」(写真1)での測定方法と(2)「貫入式土壌硬度計」(写真2)での測定方法があります。
(1)は、穴を掘り土壌断面に硬度計を刺して、ち密度が20mm以上になる層を耕盤層と判断します。
(2)は、穴を掘ることなく、地表から刺し込む簡易式の硬度計です。
貫入抵抗値が1.5Mps以上で耕盤層と判断します。
左グラフの例では、耕盤層が深さ25cm〜45cmの範囲に形成されていることを示しています。
〈 耕盤層対策の効果と注意点 〉
耕盤層対策の代表的な方法として、「心土破砕」という耕盤層に切れ目を入れる方法があります。
左の表1を参考にして実施してください。
また、施工の際は、降雨後に慌てて行っても効果が低いので、数日間雨の予報がなく、ほ場が乾いている時に、人が歩くほど(時速2〜3km/h)のスピードで、なるべくゆっくりと行ってください。
耕盤層が破砕されると、排水性の改善や根の伸長促進、生育向上・増収効果が期待できます。