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牛の生活時間を見直そう

 

 タイムバジェットという概念があります。
 生物が要求する1日あたり行動時間で、生活時間割のようなものです。
 家畜とはいえ、牛も生物として、この時間割で生活をする性質を持っています。
 近年の研究で、乳牛のタイムバジェットが一日の乾物摂取量を左右するとして注目されています。
 もちろん、牛の採食量は粗飼料品質に大きく影響されます。
 しかし、エサの品質や供給量に問題はなくても残飼が発生したり、牛体や乳検データに採食量不足の兆候が現れるなど、計算どおりの採食量に到達していないと推測される場面もあります。
 食べる量が少なくなる原因として、「食べる時間が少ない」ということは考えられないでしようか?
 搾乳を含めた管理作業で牛の採食行動を妨げる時間は意外な所で存在し、それを合計すると、1日の中では数時間になるケースもあります。
 「外仕事」が少ない冬期間、このタイムバジェットを意識して現在の牛群管理を見直してはみませんか?

 

【牛の行動上の要求時間】

 

 表1は、牛のタイムバジェットの研究です。


 フリーストール管理でのデータですが、繋ぎ飼いでも、基本的に牛の要求時間は変わりません。
 この時間割がゆがめられると、乳量が影響を受けます。
 採食量に直結するのは、採食時間ですが、それには休息時間が密接に関ることがわかっています。
 事実、牛が1日の中で最も多くの時間を費やすのは休息時間なのです。

 

【休息時間の要求と生産性】

 

 牛は、体を横たえて座る横臥行動に明らかな要求があります。
 横臥時は、牛に不可欠な休息と反芻行動に重要な時間です。
 試験的に連動スタンチョンなどで数時間の拘束後に解放されると、採食より休息を選択する牛が多いそうです。
 このことから、採食より休息の優先順位が高いと考えられます。
 つまり、「ゆっくり座れないなら食べる時間が減る」可能性があるのです。
 フリーストールでも繋ぎ飼いでも、構造や安楽性に問題ある牛床は、採食せずに立つ時間か増える傾向があります。
 休息時間か1日あたり1時間減少すると日乳量が1〜1.7kg減少するといわれています。
 牛床はクッション性の保持と牛体をキズつけないことを常にチェックし、問題は高い優先順位で改善すべきです。

 

【管理作業と牛の行動を再考する】

 

 エサを食べる採食時間、栄養の消化・吸収が進む休息時間は、どちらも1日の最大値にしたいものです。
 牛の行動時間を1日の配分割合で示すと図1のようになります。


 24時間のうち、牛が必要とする生活時間は、87%で13%が残ります。
 24時間の13%は約3時間です。
 理想的には、牛の拘束時間は1日3時間以内といえます。
管理作業の手法・タイミングによっては、牛の拘束時間が増大し、採食・休息行動を阻害することもありえます。
 現在の管理上に、牛が「休息も採食もできない時間帯」は存在しませんか?

 

・パーラー搾乳で待機室にいる時間が長い
・牛を待たせての飼槽の清掃
・放牧、パドック管理で牛舎への出し入れの際、牛を待たせる

・飼槽に牛が並んでいてエサがない時間帯がある など

 

 大規模な搾乳牛群では、パーラー前の待機時間の拘束が問題になります。
 群ごとに最後の牛が搾乳されるまでの待機時間が1時間以内になる1群頭数としたいものです。

 


 牛がパーラーから戻ったら、新鮮なエサが飼槽にある管理が理想です。
 牛が休息も採食もできない時間を今より短縮するための作業手順を家族、作業者で相談してみませんか。

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