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分娩後のエネルギー不足牛の摘発とその対処について 〜ケトーシス予防〜

 

 分娩後の乳牛は生乳を生産するためのエネルギーを採食した飼料からのみで補うことができず、全ての牛において多少の差はあるもののエネルギー不足の状態に陥っています。
 そのため、自分の体脂肪を動員し、エネルギーの収支を合わせようとします。
 しかし、エネルギー不足の程度が激しいと体脂肪が過剰に動員され、その際にケトン体が産生されます。
 ケトン体そのものが、エネルギー源としても使われますが、過剰に産生されるとエネルギーへの変換が追いつかず、体内にたまってしまいます。
 たまってきたケトン体により、元気が消失、食欲減退が起こり、生産性が著しく低下する要因となります。
 この状態はケトーシスと呼ばれています。
 ケトーシスは臨床性と潜在性にわけられ、最近は、はっきりとした症状がないまま、見過ごされやすい潜在性ケトーシスを早期に発見し、対処することがより高い生産性を実現できるとして現場で実践している農場をみかけます。
 その一部をご紹介します。

 

潜在性ケトーシス牛をチェックする方法

 

(1)サンケトペーパーによる乳汁中のケトン体測定

 分娩後の牛の乳汁に試験紙(写真1)を3秒間浸し、乳滴をはらって、1分経過後の色調を判断します。
 ケトン体が100μmol以下なら試験紙の色調は変わらず、200μmol以上なら試験紙が紫色に変色します。

 

 

(2)乳検データ 分娩後初回の乳脂肪が5%以上の牛をチェック

 分娩後、初めての乳検データ(分娩後7〜30日)で乳脂肪率が高い場合、エネルギー不足により体脂肪が過剰に動員されていると推測され、このような牛は乳汁中のケトン体も高くなっていることが予想されます。

 

(3)乳検データ 乳中ケトン体をチェック

 乳中ケトン体が0.13ミリmol/L以上の牛を確認します。
 今年度から乳検情報で個体ごとの乳汁中のケトン体が数値でわかるようになりました。
 前述の乳脂肪率と合わせて確認してみましょう(写真2)。

 

 

(1)〜(3)のチェックで潜在型ケトーシスが疑われる場合の対処

・飼料用グリセリンなどの速やかにエネルギーになる資材の投与を5日間程度継続します。
・糖蜜資材の投与も症状を緩和させる効果があります。

 

 分娩時(乾乳期)に過肥の牛、後産停滞牛は、分娩後、採食量が落ちやすいので特に注意してチェック、対処しておきましょう。
 予防策として分娩前後にバイパスコリン、バイパスメチオニンなど体脂肪動員時に肝臓に蓄積してしまう脂肪の代謝を促進する資材を投与するのも、良い方法の一つです。

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