一定期間更新がないため広告を表示しています
粗飼料品質をしっかり確認して飼料給与しましょう
日ごとに暖かくなるこの時期は、サイレージの二次発酵の発生が懸念されます。
1.気温の上昇と被覆資材の破損
二次発酵は、サイロ内に空気が侵入することで起こります。
外気温が高くなって酸素が供給されると、酵母やカビがサイレージに含まれる栄養素を使って急速に増殖し、その時に発熱します。
水平サイロでは、給与するエサを切り出す前に手でサイレージ断面の発熱具合を確認し、冷たい部分を給与しましょう(写真1)。
また、冬期間に野外で保管したロールパックサイレージは、ラップフィルムのズレや裂け目ができている場合があります。
いずれも開封時にカビや腐敗部分を取り除き、保存状態の良いものを給与しましょう。
2.牛の行動を観察する
給与飼料に変更がないにも関わらず、残飼が多くなったと感じたら、二次発酵による粗飼料の嗜好性低下が、原因の一つとして疑われます。
粗飼料の嗜好性が悪いと、TMRなど混合飼料に調製しても1日あたり採食量の減少や選び食いが起こりやすくなります。
繊維摂取量の不足からアシドーシスになると、蹄冠部の毛細血管が損傷して足が痛むことで、採食量がより減少してしまいます。
粗飼料の嗜好性に問題がある時は、反芻時の咀嚼回数を観察しましょう。
反芻時の咀嚼回数は、牛の繊維摂取量を反映します。
図1のような観察による目安値があります。
3.飼料給与上の対策
(1)サイレージが乾き過ぎている場合、混合飼料の選び食いが起き易くなります。
TMRの場合は、できあがり時点の乾物率が45%以下になるように加水して調製しましょう。
(2)細胞粘膜のダメージを修復する作用があるビタミン・ミネラル剤を増給しましょう。
(3)下痢の発生や鼻水を垂らしている牛が多い場合は、カビ毒の影響が疑われます。
カビ毒吸着剤を給与し、継続して牛を観察しましょう。
(4)利用しているサイレージの嗜好性が極端に低い場合は、利用を中止し、代替粗飼料の購入を検討しましょう。